amener と emmener の違い
「連れて行く」の意味の動詞 amener と emmener の使い分けについて、読者様から質問をいただいたのでこちらにもご紹介します。
「子どもたちを学校に連れて行く」というとき、amener と emmener のどちらを使えばいいですか?
という内容です。Aさん、ありがとうございました^^
初めに amener と emmener の主な違いについておさらいしましょう。
amener は連れて行く先(目的地)に視点が置かれます。そのため、「連れてくる」と訳すことができます。
それに対し、emmener は出発点に視点が置かれ、その場から離れる(en-, em-)ことが強調されます。そのため、「連れて行く・連れ出す」と訳すことができます。
綴り上の違いは、接頭辞の違いにあります。a- は、「~の方へ」の意味の前置詞 à に由来し、em- は、「~から」の意味の代名詞 en に由来します。
さて、ご質問でいただいた文をフランス語にすると、J’emmène mes enfants à l’école. という訳が初めに思い浮かびます。ところが、もし「私」が子どもたちを学校に連れて行ってから学校を離れることを想定している場合、学校(=当初の目的地)に視点が置かれます。(初めに)学校へ子どもたちを連れてくる、(その後に私は別の場所へ移動する)、という意味で、J’amène mes enfants à l’école. という文が可能になります。
amener と emmener の違いをイメージしにくいときは、 Je vous emmène où ? という例文を覚えておくと便利です。(=(ここから離れて)どこへお連れしますか?の意味です。その後に「私」がそこへとどまるのか更にどこかへ行くかは問題にならないので emmener が使われます)。
ものについては、動詞 apporter(持ってくる)と emporter(持って行く)を用います。動詞 emporter といえば、À emporter. 「テイクアウト」でおなじみの動詞です。
接頭辞を覚えておくと、単語の由来がわかるだけでなく、語彙を増やすためにも便利です。漢字の部首のようなものでしょうか…。というわけで、接頭辞(や接尾辞)についても少しずつご紹介していきたいと思います。